ブレンドイメージコラム
 
　生薬の烏梅(うばい)は、梅干しを炭化させたもので胃腸を整える効能があります。なぜわざわざ炭化させるのかを疑問に思っていましたが、今年の１月に自家製の烏梅をいただいてから、炭化させるとなにが違うのかがわかってきました。 烏梅をいただいたのは、自家製の煎じ薬を飲んでも全く止まってくれない咳に悩まされていた時でした。少し舐めるだけで効果があるとよと言われて。半信半疑でいただいてみると、驚くことにぴたりと咳が止まったのです。炭化の謎を知りたいと思い、野草マイスターの小釣先生に尋ねてみました。「燃やすことで物質がなくなって、エネルギーだけが取りだせる。炭化を細かな灰にすると、その物質に共生していた菌が活性化される(醗酵)から、無限にエネルギーをチャージできることにつながる。これを錬菌術という」と教えていただきました。醗酵とは、味噌のように微生物が食材を分解して旨味成分を増やし、なおかつ長期保存できるものだとイメージしていましたが、炭化も醗酵だという考え方は衝撃でした。菌の研究をされている執行草舟氏は、幼少期病弱だったため7歳の頃入院を余儀なくされ、臨死体験をしたことがあるといいます。三途の川を渡っていると、砂の中から突如お地蔵さんが現れて「お前はまだ小さいからこっちにきてはいけない」と言い、肩車をして元居た場所へ連れて戻ってくれました。そして病室で目を覚ますと、心臓が停止して3時間が経過していたため家族はもう生き返らないものと思って泣き崩れていたそうです。その数年後、偶然巣鴨地蔵尊へ行った時に、自分を助けてくれたのはこのお地蔵さんだと気が付きます。実は入院されているときに、同室にいたおばあさんから巣鴨地蔵尊のお札の黒焼きをお裾分けしてもらい、それを服用していたことを思い出したそうです。それで助かったのだと合点したと。不思議なお話しですね。お札の黒焼きの歴史は、辿っていくと空海まで行き着き、つい最近の昭和初期まで民間療法の一つとして信じられていました。空海のルーツを調べていくと、古代ユダヤ人が日本に伝えた錬金術とつながります。「火」を使ってさまざまな実験をしていたとも言われますね。この辺りを深掘りしていくと、学校で教わった歴史観と全く印象の違う日本の姿が見えてきて驚きます。この数年、物質主義から少しずつ精神主義へスライドしてきているように感じます。精神性、エネルギーという東洋的な思想が当たり前として受け取られるようになってきました。五行で考えると、これまでの時代は「金」。つまり目に見える物質、物体だけを信じる風潮がありました。これからはいよいよ「火」の時代の到来です。五臓では「心」。東洋医学で「心」は意識を指します。肉体は滅んでも、私たちの魂は残っていくものです。つまり、目には見えないけれど、確実に存在するエネルギーと考えることができますね。エネルギーにとって「火」は欠かせない要素です。熱を安定させることで、エネルギーは増幅して巡り始めるからです。お茶には、火入れという加工工程があります。熱を加えることでお茶の味と香りを決める大事な作業です。そしてこの火入れは、もしかしたら錬菌術にも繋がっているのかもしれません。一定の温度をキープして熱を加え続けると、茶葉に共生している菌が活性化してくからです。お茶の加工法が錬菌術に繋がると考える(妄想する)ととても面白いですね。だからこそ、お茶はかつて生薬の一つとして、治療法に使われていたのかもしれません。今回のブレンドは波動を一段上げ、今からの新たな精神時代をリードしていくエネルギーの活性化をテーマにいたしました。松は植物のなかでも波動が高いものです。松の中でも赤松は香りが爽やかで、気を押し流す力が強い。その赤松の新芽を今回は使っています。芽吹くパワーそのものを閉じ込めていますので、心のパッションをさらに増大してくれるエネルギーに満ちています。そしてレモン皮の香りとの相乗効果で、前に進むパワーを強くします。石垣島のはまごうは、地面に這うようにして広がっていきます。大地に広がる植物は、私たちのグラウンディング力を高めてくれます。変化が激しい時代に、ぶれない軸となって安定感をもたらしてくれます。これから湿度が高くなる季節です。心身が重だるくなりがちですが、いつも以上に軽やかに、そして前に進むエネルギーを高める今月のブレンド茶で、健やかにお過ごしいただけましたらと思います。
 
 ブレンド素材
 
・烏龍茶
　オーガニック　宮崎県五ヶ瀬町産    
 
・はまごう
　天然素材 　沖縄県石垣島産

・レモン皮
　自然栽培　宮崎県日南市産　　 　
 
・赤松新芽
　天然素材　宮崎県延岡市産