ブレンドテーマは
「秋分のエネルギーシフトをスムーズに」
 
蓮の花が開く時「ポンっ」という音がすることを知ったのは、野村萬斎さん主演の映画「花戦さ」でした。
町が荒廃した戦国時代の京都で、人々の心を癒すために花を生けることを教えた池坊と呼ばれる僧侶のお話しです。
花は、いつでも私たちの心を癒してくれていたことがわかる映画でした。
植物にも、私たちと同じように波長があります。
波長とは、気の流れるパターンのことで、その動きのことを波動といいます。
良い波動を持つ人と一緒にいると心地がいいのは、相手の波動の影響を受けて自分の波長が整うから。
植物のなかで、とても強い波動を持つものが蓮だよと、中医師の先生から教わったことを思い出します。
お釈迦様が蓮の葉や花の上に座っているのには、そういった意味があるのだそうです。
蓮の花に触れていると、私たちの波動が整うのです。
蓮の花が咲くのは夜明け前。日の出と共に蓮の花は熱を帯びていきます。
触ってみると、私たちの体温と同じくらいの温かみがあることに驚きます。
蓮はこの熱を利用して花の香り遠くまで漂わせ、虫たちに花粉を運んでもらうのです。
この熱は「気」が作り出すもので、温煦といいます。
植物で温煦の力を持つものは非常に珍しいですね。
それだけ蓮の「気」が人に近いくらい強いことがわかります。
「気」のはたらきにはもうひとつ「防御作用」があります。
いわゆる免疫力のことです。
蓮がもつ波動をいただくことで、私たちが本来持つ免疫力を再び高めることも期待できそうですね。 
蓮は茎や実、根っこもすべて食べることができます。
実は「蓮の実」、根っこは「レンコン」ですね。
蓮の実は安神作用を持つため、薬に近いくらいの効能がある薬食に分類されます。不安感や恐怖心を落ち着ける効果があります。
また、不眠改善にも活用できます。栗に似た食感があるため、おこわにしていただくと最高に美味しいですよ。
秋分が過ぎると、私たちの「気」は外側へ向かっていたものが内側へと動きを変えます。発散から温存へ。
秋分以降は「気」を発散することを控え、食べ物から上手に「気」をいただき蓄えることが大事なのです。
蓮の葉と花がもつ波動の力で疲れ切った心を癒し、心身を冬モードへスムーズに切り替えができますように。
そういった思いを込めてブレンドいたしました。
 
ブレンド素材①
烏龍茶 
　半発酵茶は職人の加工技術で差が出ます。お茶の加工は茶葉の発酵と向き合う作業。茶葉を積むと酸化酵素により発酵が自然と進みます。この発酵をどう活かすのか。烏龍茶は、最も微妙なさじ加減が必要です。宮崎茶房の茶畑は標高600m。高地で育った茶葉は香りが高い特色がありますが、更に加工技術を加えることで絶品の烏龍茶を生み出します。どんな素材とも相性がよく、相手のいいところを引き出してくれる烏龍茶は非常にスグレモノ。今回のブレンドを活かすベースとして使っています。
 
ブレンド素材②
蓮花 
ブレンド素材③
蓮葉
　蓮といえばベトナム。お茶もベトナム産のものはよく見かけるのですが、国産でオーガニックとなるとかなり入手困難。もうこれは加工からやるか！という思いで蓮の花を育てている方を探すことから始めました。 今回の蓮は、米を作らなくなった休耕地を利用して蓮の花を育てている方から譲っていただきました。地域の方々に花を愛でていただけたらという思いで数年前から蓮を育てていらっしゃる方です。まるで「花戦さ」のストーリーのようですよね。観賞用のため農薬や肥料は全く使っていません。山から流れ込む湧き水で育った蓮の花はそれは見事に咲き誇っていました。 ベトナムの蓮茶は苦味が強いためブレンドすることが難しい素材です。しかし、オーガニックの国産蓮は苦味が柔らかく、さっぱりとした後味が非常に良い感じ。柑橘系の香りの素材と一緒にブレンドすると、蓮のおいしさが引き立つだろうなと思い、同じ地域で栽培された日向夏と合わせてみました。
 
ブレンド素材④
日向夏黄皮 
　柑橘類の出荷が終わった頃に日向夏は旬を迎えます。皮と 果肉の間の白い部分が分厚く、果肉と一緒にいただく独特の食べ方が話題になっています。今回は表皮の⻩色い部分を乾燥させたものをブレンドに使いました。 日向夏は柑橘系の中でも香りが非常に高く、ミカンとレモンの間のようなスーッとする芳香があります。 乾燥させた後に少し時間を置くことで香りが変化していきます。今回使用したものは半年熟成のもの。すっきりした香りがまろやかになり、秋にいただくのにもってこいの味に整っています。