ブレンドテーマ
宮崎茶房さんの敷地内には大きな八重桜の木があります。
ちょうど茶摘みがそろそろ始まるなという頃に見事な花を咲かせ、収穫期がやってきたことを教えてくれます。
自然の変化に興味を持ち、観察していると飽きることがありません。
その中でも春は、植物が眠りから一斉に目覚めて成長をリスタートさせるときなのでフレッシュなエネルギーが自然界に満ちあふれているように感じます。
とくに今年のエネルギーは爆発的で、まるで都心のターミナル駅の改札に溢れるビジネスマンのようにも感じます。
リモートワークが定着し、かつてほどはなくなったにせよ、朝の通勤時間は殺気を感じるくらいに人々の気が張り詰めています。
電車を降りて改札に向かってできる大流に逆らおうものなら舌打ちされることもあります。
行きたい方向はみんなと違うのだけれど身動きさえ取れない状況ではどうしようもなく、とりあえず自由に動けるところまでは流れに乗って移動して行こうと思うこともあります。
人生でもなんだか同じことが起こっている気がします。
自分が進みたい道があるけれど、それにはエネルギーが必要だからとりあえずタイミングがいいところまでは大きな流れに乗って行こうかと妥協する心。
でも、ふと気付いたときには、そんなことさえももう忘れてしまっている自分。
行きたい方向があったことさえも思い出せないのです。
そして心からワクワクすることはなくなり、流行りのものを手に入れることでとりあえず満ち足りていると自分を誤魔化している状態。
私たちは人の変化には敏感ですが、自然や自分の変化には意識が向かなくなっています。
自分の内側に意識を向けるには、とにかく時間を作ること。
ぼーっとする時間が何よりも大事です。
お茶を飲む習慣は、外に向いていた意識を内側に向け直す大事な時間だと思います。
そして今年の自然の変化は非常に強引で激しいですね。
自然の力が強すぎる今、それに逆らい流れを止めるのではなく力を抜く柔軟さが求めらている気がします。
そんなことを妄想しながら華のブレンドをいたしました。
 
素材①
八重桜
天然素材
ソメイヨシノが散った頃に満開を迎えるのが八重桜。幾層にも重なった花びらには力強い美しさがあります。実は、今回のブレンドのために当初別の八重桜を使おうと思っていました。その花弁を乾燥させるときに気付いたのですが、思ったよりも一房の花びらの枚数が少なく、数えてみると10枚程度。これは半八重咲というそうです。宮崎茶房さんの敷地内にあるものは一房に20枚以上の花びらを付ける八重桜でしたので、急遽そちらをブレンドに使うことにいたしました。おいしさには変わりがないと思うのですが、花にはエーテルのエネルギーがあるといいます。私たちの気力や元気の源である「気」を整えてくれるものです。
一房にたくさんの花びらをつける八重桜には、きっとエーテルエネルギーがたっぷりと含まれているように感じます。見た目の美しさはもちろん、口からいただいても素晴らしい力を与えてくれる八重桜をご堪能ください。
 
ブレンド素材②
クレソン
天然素材
　山から滲み出してきた水が小さな小川となるポイントに群生するクレソン。美しい水があるところにしか自生しないと言われています。ちょうど桜が咲く頃にぐんぐん成長するクレソン。爽やかな苦味がとてもおいしく、乾燥させるとお茶としても楽しむことができます。
苦味が持つ気を流すはたらきは、春の季節にぴったり。とくに今年の春は気圧変化や寒暖の差が激しく、私たちの気も乱れやすくなっています。緊張した心を緩めてくれる力を持つクレソンの苦味がブレンドのアクセントになっています。
 
 
ブレンド素材③
日向夏ピール
自然栽培
　日向夏は世界でも珍しい柑橘といわれる宮崎県の特産品です。さわやかな酸味が最大の特徴で、果肉だけではなく皮の内側の白皮も一緒にいただきます。
柑橘は捨てるところのない漢方薬だとも言われるほど、すべての部位にそれぞれの効能を持ちます。表面の黄色い皮は鬱々とした気分を晴れやかにし、寒暖の差による肩や背中の強張りを解消してくれます。内側の白い皮は消化力を上げ、水の巡りをよくしてむくみの改善に役立つためこれからの湿度が高くなる季節にはもってこい。日向夏ピールの主張しすぎない爽やかな香りと、八重桜の酸味との相性が抜群です。
 
ブレンド素材④
烏龍茶
  無農薬
半発酵茶は職人の加工技術で差が出ます。お茶の加工は茶葉の発酵と向き合う作業。
茶葉を積むと酸化酵素により発酵が自然と進みます。
この発酵をどう活かすのか。烏龍茶は、最も微妙なさじ加減が必要です。
宮崎茶房の茶畑は標高600m。高地で育った茶葉は香りが高い特色がありますが、更に加工技術を加えることで絶品の烏龍茶を生み出します。
どんな素材とも相性がよく、相手のいいところを引き出してくれる烏龍茶は非常にスグレモノ。今回のブレンドを活かすベースとして使っています。