ブレンドテーマは
「自然と同調する」
 
「青信号というのになぜ緑色をしているの？」という問いかけに、なんと答えていいのか困ったことはありませんか？
「青々とした芝生」という言葉がある通り、日本語では青の中に緑を含めて考えていたという説が一般的です。
青も緑も自然の色。青といえば空と海の色を、緑といえば山の樹木や畑の野菜たちの色をイメージします。
薬膳では、緑を含む青色は自律神経を整えるはたらきがあると考えます。
自律神経が乱れやすい私は、つねにケアを心がけているのに今年はなんだか調子がおかしいのです。今春初めての寒暖差アレルギーを経験し、例年通りのセルフケアでは追いついていないことに気づきました。3月には一日の寒暖差が10度以上もある日が続き、「春の熱中症注意」と天気予報が教えてくれる違和感。夏にヒョウが降り、鋭角に進路を変える台風がのろのろと日本列島を縦断。
やはり自然のサイクルがおかしくなっています。
自然と人はつながっていますので、もちろんこの影響は私達にも及んでいるわけです。
脱力感や抑うつ、イライラや不安感、頭痛や肩こりなど症状は様々ですが、今年は心身がなんだかおかしいぞと感じているようでしたら気候の影響を疑ってみてください。
そして自然に逆らうのではなく、同調するように心がけてみてください。
力を抜いて、大きな流れに同調することで、今年の異常気象の影響はかなり軽減していくはず。
力を抜く。
そのためには体内に自然のパワーを満たすことが大事です。
青々とした新緑のイメージでブレンドした今月のお茶は、あなたの心身から力を抜き、自然に寄り添うことをサポートしてくれるはずです。
 
素材①
桑の葉
 無農薬
桑の葉は、漢方薬で桑葉(そうよう)といいます。ストレスにより高まった交感神経を安定させる力があり、イライラや抑うつを解消し心を穏やかにしてくれます。また、目の疲れにも効果があるのでリモートワークでずっとPC を見ているという方にもおすすめです。 そのほかにも風邪の予防、咳止め、喉の痛みの解消など様々なはたらきをもつ桑の葉。こういったすばらしい効能もうれしいのですが、お茶に加工するととても美味しくてびっくりします。ブレンドする相手を選ばず、思いがけない味を生み出してくれる桑の葉。ノンカフェインのブレンドベースとしては大変優秀な素材です。緑茶のようなすっきり感をお楽しみください。 
 
ブレンド素材②
蓮の葉
農薬不使用
蓮といえばベトナム。お茶もベトナム産のものはよく見かけるのですが、国産でオーガニックとなるとかなり入手困難。もうこれは加工からやるか！という思いで蓮の花を育てている方を探すことから始めました。
　今回の蓮は、米を作らなくなった休耕地を利用して蓮の花を育てている方から譲っていただきました。地域の方々に花を愛でていただけたらという思いで数年前から蓮を育てていらっしゃる方です。
観賞用のため農薬や肥料は全く使っていません。山から流れ込む湧き水で育った蓮の花はそれは見事に咲き誇っていました。
　ベトナムの蓮茶は苦味が強いためブレンドすることが難しい素材です。しかし、オーガニックの国産蓮は苦味が柔らかく、さっぱりとした後味が非常に良い感じ。
蓮は根っこから茎、花、種まですべて漢方薬に利用されるほど高い効能を持ちます。
そのひとつが「安神」で、心を安定させる効能のことをいいます。これからの季節は心がザワザワしやすく、自分を保つことが難しくなることもあります。そんなとき、蓮の葉は本来の自分を思い出すきっかけを作ってくれる力を持つのです。
 
ブレンド素材③
ブルーベリーリーフ
無農薬
お茶に使うブルーベリーは、実がつかない品種です。実に栄養が集中しないため葉の方にポリフェノールやビタミン、ミネラルが多く含まれます。
第７の栄養素と言われるビタミン＋ミネラルやフィトケミカルは、体の機能を調えてくれる力をもちます。私達の体内は複雑なネットワークで繋がり、小宇宙という表現のとおり見事なバランスで機能しています。この緻密なバランスを整えてくれるのがブルーベリー葉に含まれる栄養素たちです。
酸味が強いため、単品よりもブレンドすることで美味しく感じる素材ですね。この酸味は春の五味でもあります。いつも不思議に思うのですが、自律神経が乱れがちな春はブルーベリーリーフの酸味が最も美味しく感じられます。四季と五味の関係はなかなかどうして、奥が深いです。
 
ブレンド素材④
レモンピール
自然栽培
　希少な国産オーガニックレモンの皮を乾燥させ、粉末にしています。皮と果肉の間には芳香成分がぎっしり。レモンのさっぱりした柑橘の香りが、滞りを解消させてくれます。いつもはマイヤーレモンを使うのですが、今回は香りを前面に出したくてユーレカレモンを使っています。甘みがあるマイヤーのほうが日本では主流ですが、ピールだけを比較するとユーレカのほうがかなり優秀。表面がゴツゴツとしたユーレカは無骨なイメージなのですが、香りが非常に高いという特徴があります。
気持ちを晴れやかにしてくれるレモンの力をぜひ五感で味わってみてくださいね。
 
ブレンド素材⑤
日向当帰
無農薬
宮崎県の高千穂から大分南部にかけての地域で自生する日向当帰は、神の草とも言われていました。薩摩藩島津家が秘薬としていたことから戦後まではその存在を知られることはありませんでした。
現在では根は医薬品として扱われます。様々な効果が認められていますが、未だ研究中でもある日向当帰。セリ科のため苦味が特徴ですが、ブルーベリーリーフの酸味と合わせることですっきりとした苦味にまとまりました。