ブレンドテーマは
「優しさ」
 
秋分を過ぎると暑さも和らぎ、空気が乾燥してきます。
自然が色をつけていく美しい季節ですが、私たちの感情には憂いが生まれるときでもあります。
 
私たちは自然とつながっています。
そして体と心もつながっています。
秋から冬の乾燥は、肺を弱らせ、肺がコントロールしている感情「憂い」が強く表に出てきます。
 
憂いとは心配する気持ち。
 自分の心配と言うよりも、人の心配を過剰にしがちになります。
身近な家族だったり、友人だったり。
この憂いは一時的感情とも言います。
つまり、二時的感情の「怒」に成長する可能性があるということです。
 
門限を過ぎても帰ってこない子供を心配する親であれば、もしかしたら事故があって….と考えを巡らし不安になります。そして無事に帰ってきた子供に対して、なぜ門限を守らないのか、連絡をしないのかを怒るということがよくあります。
これがまさに、憂うから生まれた怒りです。
心配するという気持ちは、本来とても優しい感情です。
相手のことを考えて思いやることで生まれるものだからです。
ただ、相手には怒るという感情をぶつけてしまうと、優しさは残念ながら伝わりません。
 
私たちはこの頃、感情に流されることがとても増えているように感じています。
五感を刺激できなくなった自粛生活の影響が、私たちの感情にも及んでいることが原因の一つです。
 
私たちの内面にある感情は、川のように常に流れています。
今、どんな感情が流れているのかを客観視することで、感情に流されることがなくなります。
いつもの流れであればのまれることはありませんが、時に想定外の濁流となることがあります。
この濁流にのまれてしまうと、もうどうあがいてもその流れから逃れることはできません。
頭に血が上って感情的になっている時が、まさにこの状態です。
ただ、濁流になるまえには様々なサインがあります。
本物の川であれば、前日に大雨が降り、濁った水が増えてきた場合には気をつけねばなりません。
 
私たちの感情が濁流になるサインは感情ごとに違いますが、憂うの場合には乾燥です。
空気の乾燥だけではなく、体内水分が不足する乾燥もあります。喉が張り付いたように乾燥していると感じた時には、濁流が襲ってくる前兆。水分を摂ることで、感情に流されてしまうことを防げます。
 
私たちの感情にもパターンがあります。
この法則を知ることで感情に流されず、いつも自分らしくいることができるのです。
怒りが湧いてきた時には、一時的感情のなにが強く入った結果なのかを考えることも大切です。
そして、季節ごとにこの感情は変化してきますので、事前にパターンを知っておくことも予防に役立ちます。
 
秋は黄昏の季節。
心寂しくなりますが、そこから優しさが生まれます。
優しさが心配に繋がりすぎないように、
それが怒りに変化しないように、
肺を癒し、心をほぐすブレンド茶を今月はお送りいたします。
 
ブレンド素材①
カモミール 
　無農薬
　産地：宮崎県綾町
　風邪のかなり初期に現れる喉の違和感にはカモミールが効果的です。鼻から抜ける優しい香りが喉の乾燥を潤し、風邪への免疫力を上げてくれるように感じます。
　安眠効果もありますので、熟睡することで心身の疲れを取りたいときにも重宝します。ヨーロッパでは薬としても使われているカモミールは、気が不足しがちな陰の季節におすすめするハーブです。
　心を落ち着ける優しい香りを楽しんでいただけるブレンドに仕上げています。
 
ブレンド素材②
蓮葉(茎)
　自然栽培
　産地：宮崎県日南市
 
　蓮は動物に近い波長を持つ植物と聞いたことがあります。つまり、私たちの気を整える作用がとても強いということです。これから陰の季節が深まり、気が少しずつ減るときに役立つ食薬のひとつです。
　泥の中に根を張り、葉を広げて太陽の光を集め、美しい花をつける蓮はすべてをいただくことができる一物全体の植物でもあります。今回のブレンドには蓮茎を使っています。無農薬無肥料で育った蓮は、とてもさわやかな味わいが特徴で、カモミールの香りを引き出してくれています。
 
ブレンド素材③
烏龍茶（たかちほ）
　無農薬
　産地：宮崎県五ヶ瀬町産
青茶の代表、烏龍茶は香りの高さが特徴です。
すーっと透き通るような香り。その香りが変化しながら後を引くところも烏龍茶が愛される理由です。
烏龍茶の中でもたかちほは優しくすっきりとした香りが特徴で、ブレンド素材の良さを引き立ててくれています。