ブレンドテーマは
「バランス力を取り戻す」
 
今年、サップを初めて体験しました。
サーフボードの形をした浮き輪（硬めの）に乗って、オールを使って進んでいくという人気のアクティビティです。
 
慣れるまでは、ボードの上に膝立ち。こうするとバランスがとりやすく安定します。
慣れてくると立ち上がるのですが、見ているよりも難しくてなかなか勇気がでません。
意を決して立ち上がってみたものの、波の影響を受けるためボードが不安定。
海に落ちないように全身に力が入ってしまいます。
この日は風が強く、気を抜くと自分が行きたい方向ではない地点へ流されてしまいます。
どんなにオールで漕いでみても、風には勝てない。最終的にはライフセーバーさんに助けられ、進路変更するありさま。
それでも負けずにボードに立ち上がり再起を測ろうとしましたが、強風に煽られてとうとう転覆してしまいました。
 
自然の波の上で、両足だけでバランスを取り続けることの難しさを痛感した初めてのサップ体験。
 
私たちの体の中で、サップのようなバランス力を求められているのが自律神経です。
気圧の変化や寒暖の差があっても、体内のバランスを一定に保っているのは自律神経のおかげ。
風を受けても、大波がきても転覆しないようにボード上で必死にバランスをとっているイメージですね。
 
体に力が入っていては、予測不可能な風が吹いた時にバランスを崩します。
力を抜いて、柔軟に自然の変化を受け止め、その変化と同調してしまうことが最大のバランス力を生み出します。
強張った心身では、正面から風を受けるためダメージも大きくなります。
様々な変化が立て続けに起こっているこの数年。
私たちは知らない間に心身に力を入れ、必死で前に進んできました。
その結果、さまざまな意味での柔軟性が失われてしまいました。
ニュースでは、強張った心が生み出す敵対心やネガティブな感情による情報が溢れている今、私たちは柔軟性を回復させることが求められています。
 
植物がもつ「酸味」には、自律神経の柔軟性を回復させる力があります。
お酢を飲むと体が柔なくなるという都市伝説がありましたが、酸味を摂ると自律神経の柔軟性が上がるということを本当はいいたいのだと思います。
 
自律神経の柔軟性がもどってくれば、強張った心も和らいできます。
 
ハイビスカスの酸味は、私たちの心身に柔軟性を取り戻させてくれます。
 
また、ハイビスカスの赤色にはフィトケミカルがたっぷりと含まれています。
疲れた私たちの心身にエネルギーを与えてくれる植物の力。
日々の疲れをしっかりと解消し、柔らかな心を取り戻すようなブレンドを今月はイメージしております。
水出しでも美味しくいただくことができますので、心身を優しく潤すブレンド茶をお楽しみください。
 
ブレンド素材①
ハイビスカス（ローゼル）
　　自然栽培
　　産地：宮崎県日南市
生薬としては洛神花という名を持ちます。自律神経を整え、体内の熱を冷ましてくれる効能があります。
赤色色素にはフィトケミカルがたっぷりと含まれています。抗酸化作用という細胞を若返らせるパワーを持つため、老化防止や美容にもよくハイビスカスは使われます。
ローゼルの萼を取り去ると、種を包む硬い殻が現れます。この殻を乾燥させると、ゴマのようにパカッと割れて小さな種たちがたくさん出てきます。きれいな五角形の殻を見ながら、ここにも五行があるなぁと自然の法則にうっとり。五行とは、体内のバランスが大事だよと教えてくれる自然哲学なのです。
 
ブレンド素材②
レモン花つぼみ
　　自然栽培
　　産地：宮崎県日南市
レモンは、春に薄紫色の蕾をつけます。レモン農家さんでは、果実を大きくするために蕾を落とす（摘花）のですが、今年はこの摘花をお手伝いしてきました。枝の先に密集する蕾を一つだけ残して後は取り去る作業はとても地道なのですが花の香りに癒されます。そのとき取ったつぼみをいただき乾燥させてみました。
花には、その植物が持つエーテル体という「気」が多く含まれます。
次の世代（果実と種）を生み出す蕾には生命力が詰まっています。この花のエネルギーをいただき、私たちのパワーとして活用することで、命をつないけ行けるのではないかと思います。
 
ブレンド素材③
釜炒り茶
　オーガニック
　産地：宮崎県日南市産
 
ハイビスカスとの相性がいいベース茶が釜炒り茶です。独特な酸味を軽やかにし、スーッと体内に吸収させてくれます。ほのかな苦味は、カラダの中にこもった熱をクールダウンする力を持ちます。暑い日ほど飲んでいただきたい緑茶ですが、その中でも釜炒り茶は胃に優しいので暑さで食欲がダウンしているときにもおすすめできるもの。暑い日が続いた今夏、私達の胃腸は思っている以上に弱っています。釜炒り茶の優しい苦味は、弱っている消化器を優しく癒やしてくれる力をもちます。