ブレンドイメージコラム
 
「花を飾ると、神舞い降りる」という本を読みました。
エネルギー哲学者である著者は、パリの花屋ではたらいているときに植物の妖精をたくさん見たそうです。
花や植物はもちろんのこと、大きな山や岩にもさまざまなタイプ(姿)の妖精たちが存在していて、ヨーロッパではそれをみることができる人も少なくはないと。
私たちの住む、直線の人工建築物のなかに植物を取り入れると心が癒やされます。このとき感じる「癒し」とは、滞っていたエネルギーが流れた時の感覚だという表現にはハッとさせられました。
 
私たちはエネルギーでできていて、それを整えることで健康でいられる、つまり自分らしく生きられるという考え方は東洋医学と全く同じです。
著者の、植物を通して語られるエネルギーの表現には新しい気づきがたくさんあります。
例えば、
「整うというのは、よくなるということではなく、自然な状態になる、ありのままの状態になる、本来の状態になるということ。自然の状態が一番スムーズにエネルギーが流れる。そして自分の状態が整っていると、もうそれだけで人生がスムーズに流れる。」
そうか、自然な状態になることが今はこんなにも難しく、意識をしないとできなくなっているのかと改めて思います。
 
ちょうど6/21が夏至でしたね。夏至は陽が最も増える時ですので、私たちは活動のパワーを無意識のうちに充電できています。その結果やる気がアップし、多少寝不足でも、予定を詰めすぎても、なんとか乗り切ることができます。
しかしエネルギーが増えるときには、「流す」ことを意識しないと滞りやすくもなります。都心で、連休に一斉に郊外へ移動しようと車が増え、大渋滞を引き起こすように。
 
日本の夏至は梅雨と重なることもあり、湿度も高いですね。湿度は「水」エネルギーの滞りを生みます。雨の日にはやる気が出づらく、朝もすっきり起きられないのはこの湿度の影響です。
気血水のなかで「水」は最も重いので、湿度の影響で体内の「水」の流れが滞ると、気血も同時に影響を受け、その結果、「バランスが乱れる」症状が現れます。
最もわかりやすいのが食欲。食事はいつも通りに摂っているのに、なんだか一日中空腹感がとれない。口寂しさがいつもある。甘いものが欲しくなって落ち着かない。間食が止まらない。気持ちが落ち着かずマルチタスクになりがちなど。せっかく気持ちが上がる陽気の季節ですが、下へ下へと引っ張っていく湿が邪魔をしてしまうのです。
 
年間で最も天の気の恩恵を感じる今。自然に満ちる陽気をうまく活かせれば、追い風でぐんぐん進む帆舟のようにやりたいことがなんでも叶います。
そのためには「巡らす」ことが大切。湿気の影響で停滞したものを動かすには、まずは「水」を外に出すことからはじめます。それが利尿。この季節の心得は尿をたくさん出して、体内に溜まった湿気を排出することです。
そこで登場するのがお茶。お茶は余分な湿を排出する効果に優れています。
今回のブレンドのベースは在来の釜炒り茶です。根がまっすぐ地中に伸びる在来茶は、グラウンディング力に優れているため、「巡らす」力がとても強いイメージがあります。
レモン皮の爽やかな柑橘の香りは、気を流す力を高めてくれます。また、湿気により重くなりがちなエネルギーを軽やかにしてくれる力を持ちます。月桃は、夏場に冷える胃を温めることで、体内の除湿を助けてくれます。
 
すべての素材が力を合わせて「巡る」力を整えてくれます。そして、陽気が満ち溢れる自然と私たちが同期し、一年分のパワーを充電できるよう、心を込めてブレンドをいたしました。
 
「花を飾ると、神舞い降りる」より
疲れていませんか？
いったん本を閉じて、美味しいお茶をいれましょう。
喉を潤し、香りを楽しんで、「今」を感じてください。「ああ美味しいな」と思うこと。
これが「今」を感じる、「今」にあるということです。
 
 
 ブレンド素材
・在来釜炒り茶
　オーガニック 
　宮崎県五ヶ瀬町産 
 
・レモン皮
　自然栽培
　宮崎県日南市産 
 
・月桃
　自然栽培
　宮崎県日南市産